パリの観光地を網羅!美しい橋やクルーズなどセーヌ川の見どころを解説!

フランスの首都、パリを横断するセーヌ川。

「モンテーニュ通りのカフェ」や「プラダを着た悪魔」をはじめとした数々の名作映画のワンシーンにも、必ずと言っていいほど登場していますよね。

川の周辺には歴史的建造物なども数多く並んでおり、観光客たちからも人気の高い名所の1つです。

新旧の建物が入り混じる街並みとセーヌ川の織りなす美しい景観には、心を奪われる方もきっと多いはず…。

本日は言わずと知れた人気観光スポットであるセーヌ川について、その魅力を改めてご紹介したいと思います。

1 セーヌ川ってどんな川?

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1-1 セーヌ川の地理

フランス中部の都市ディジョンの北西30km地点の源からパリを横断し、雄大なセーヌ湾へと流れるのがセーヌ川です。

その全長は、なんと約780km!フランスでは、ロワール川(※全長1,012km)の次に長い川として知られています。

中下流部にて繰り返される蛇行、そして河口が近くなるにつれて広がっていく川幅がセーヌ川の大きな特徴です。

1-2 セーヌ川の歴史

実はフランスでは18世紀までは上下水道が発達しておらず、人々の使用した生活汚水などがそのままセーヌ川に垂れ流されていました。

しかも汚水の流された川の水を、さらに飲み水や生活用水として使うという悪循環に陥っていたのです。そのため度々、疫病などの厄災に見舞われてきたという暗い歴史もあります。

今の美しいセーヌ川からはとても想像もできないことかもしれませんね…。

18世紀後半になると、ナポレオン3世による「パリ改造」によって上下水道が導入され、人々は安全な水を飲むことができるようになりました。

現在もセーヌ川流域では、水質向上のための保全活動が行われています。

2 セーヌ川周辺の観光名所

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セーヌ川の流れる方向を向いて右側を右岸、左側を左岸と呼びます。

  • 右岸に属する区…1区、2区、3区、4区、8区、9区、10区、11区、12区、16区、17区、18区、19区、20区
  • 左岸に属する区…5区、6区、7区、13区、14区、15区

今回は、右岸と左岸に分けてそれぞれの特徴や代表的な観光名所について見ていきましょう。

2-1 右岸にある観光名所

属する区が多いため、必然的に観光名所も右岸に多く集まっています。効率よく観光名所を見るなら、右岸から巡って行った方が良いでしょう。

コンコルド広場やマドレーヌ寺院、シャンゼリゼ通りなど、世界的にも有名な観光地やルーブル美術館をはじめとしたグラン・パレやプティ・パレといった美術館も多数ある右岸。

ただし常に賑わっている分、治安が安定していない地域も少なからず存在します。人通りの多い場所ではスリなども多発するため、注意が必要です。

2-2 左岸にある観光名所

左岸は比較的治安も安定していますが、右岸と比べると名所も少なく若干ながら玄人向け。

エッフェル塔などはとても有名な観光地ですが、他にはオルセー美術館やブルボン宮殿、ナポレオンの墓所であるアンヴァリッド(オテル・デ・ザンヴァリッド)など、パリに行ったことがない人にはあまり馴染みのない場所が多いかもしれませんね。

ちなみに以前は左岸に住む人を「左岸人種」などと呼ぶこともありました。ファッションセンスなどに自信があり、中〜上流階級の人々が住んでいるというイメージが強かったようです。

最近は移民も増えてきたため、そのような傾向はほとんどありません。

3 セーヌ川にかかる橋も見所の1つ

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セーヌ川を語る上で欠かせない存在、それは「橋(Pont)」です。

実はセーヌ川には30以上の橋が掛かっており、川を挟んだ右岸と左岸を結ぶ重要な役割を担っています。

例えば上記画像にあるポン・ヌフという橋は、パリに現存する最古の橋の1つ。これ以外にも、ポン・デ・ザールやアレクサンドル3世橋など有名な橋の名前を挙げればきりがありません。

ちなみにシェリー橋からイエナ橋までのセーヌ川に沿ったおよそ8kmの河岸は、世界文化遺産として登録されていることでも有名です。

映画のヒロインになった気分で、橋の上を優雅に歩いてみるのも良いかもしれませんね。

4 セーヌ川の中洲に浮かぶ2つの島

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実は、セーヌ川の流域にはシテ島とサン・ルイ島という2つの島があります。島という名称こそついているものの、意味合いとしては中洲や川中島と同じです。

セーヌ川を語る上で、この2つの島の存在は欠かすことができません。

4-1 シテ島

シテ島は、パリ1区と4区に属する面積0.225㎢の中洲で、「パリ発祥の地」とも呼ばれています。

市民(citizen)という単語も、シテ島に住む人々(citeain)という言葉が語源になっているのだとか…。

そしてこのシテ島で最も有名な観光名所といえば、ゴシック建築の代表としても知られるノートルダム大聖堂です。「白い貴婦人」とも呼ばれるその外観を一目でも見ようと、たくさんの観光客が訪れる人気のスポットでもあります。

名所自体の数は少ないですが、パリに訪れた際には是非とも足を運んでいただきたい場所の1つです。

4-2 サン・ルイ島

サン・ルイ島もまたシテ島と同じく「パリ発祥の地」として知られています。島の名前は「Saint-Louis(聖王ルイ)」が由来になっているようです。

島には建築家フランソワ・ル・ヴォーが手がけたとされる教会や邸宅、世界的な大富豪ロスチャイルド家の住居、パリ唯一のパロック建築であるサン・ポール・サン・ルイ教会などがあります。

シテ島と比べると、若干ながら観光名所が多めです。

ちなみにサン・ルイ島は別名「アイスクリーム島」とも呼ばれ、夏場になると「ベルティオン」をはじめとしたアイスクリーム屋さんに長蛇の列ができることでも知られています。

夏場はアイスを片手に美しい建物を眺めがら、パリの歴史に想いを馳せる…なんていうのも素敵ですね。

5 セーヌ川をめぐるなら水上バス

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水上バスは、セーヌ川周辺をめぐる上で欠かせない存在です。主に移動用と観光用の2種類があります。

  • 移動用…バトビュスと呼ばれ、予約不要で手軽にリーズナブルに利用できる。
  • 観光用…途中停泊などは無く時間をかけてゆっくりとセーヌ川を遊覧できる。バトーパリジャンやバトームーシュなどが有名。

移動を兼ねてサクッと利用するならバトビュスがオススメです。20〜25分おきに運行しているため、観光地巡りにも重宝します。

反対に、時間をかけて美しいプロムナードを眺めたいという方は観光用の水上バスを使うと良いでしょう。お値段も少し張りますが、途中停泊がないため心ゆくまで遊覧できます。

どちらを利用しても、普段とは一味違うパリの景色を楽しむことができるはずです。

セーヌ川周辺はパリの魅力がたっぷり

本日は、パリの中心部を流れるセーヌ川の魅力についてご紹介しました。

名作映画にも度々登場するセーヌ川の流域周辺には、パリの魅力がギュッと詰まっています。

観光名所も非常に多いため、バトビュスをはじめとした水上バスを利用して複数の名所をめぐる観光客の方も多いようです。

フランス パリに訪れる機会のある方は、ぜひ一度セーヌ川周辺にも足を運んでみてくださいね。

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