パリ好き必見!パリ8区にある教会の魅力をご紹介

パリ8区といえば、エトワール凱旋門、シャンゼリゼ通り、高級ファッションブランドの本店、星付きのガストロノミーなど煌びやかな場所が多いですよね。

そんな中、本記事でスポットを当ててご紹介するのは教会(église)です。

パリ8区には、厳かで静謐な雰囲気を感じる素敵な教会があることをご存知でしたか?

今回は、個人の信仰心の強さや宗教の違いといった垣根を超え、思わず足を運んでみたくなるような素敵な教会をご紹介したいと思います。

 

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1 パリ8区の宗教と主な教派は?

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1-1 大半はキリスト教

パリ8区に限った話ではありませんが、フランスではキリスト教を信仰する人がかなり多いようです。

そしてキリスト教の中でも、カトリック教徒がその大半を占めると言われています。プロテスタント教徒の方も一部にいらっしゃるようですが、カトリックに比べるとその割合はかなり少なくなるようです。

パリ8区にカトリック系の教会が多いのも、地元に住まう人々の宗教観の表れと言えるでしょう。

1-2 ユダヤ教やイスラム教を信仰する人も

少数派にはなりますが、キリスト教以外にもユダヤ教やイスラム教を信仰する人もいます。

フランス = キリスト教のイメージを持たれる方も多いようですが、実際は多様な宗教が混在する構造になっているわけですね。

このような宗教観の違いは時として大きな衝突を引き起こすこともあります。人々が多様な宗教観をお互いに認め合うには、もう少しだけ時間がかかるかもしれません…。

2 ヨーロッパにおける様々な建築様式

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パリ8区の教会について見る前に、ぜひ押さえていただきたいのが建築様式です。フランス、イタリア、ドイツを始めとしたヨーロッパの建造物は、時代の変遷に伴って様々な様式を生み出してきました。

これを知っているかどうかで、教会を見たときの印象が大きく変わります。

建築様式には沢山の種類がありますが、今回は以下の5つのメジャーな様式について、その特徴をおさらいしておきましょう!

2-1 ロマネスク様式

ロマネスク様式は、10世紀後半ごろから誕生した建築様式です。

この様式にはこれといってルールがあるわけではありませんが、全体的に簡素な石造りで尚且つ半円型のアーチや小さな窓などが多く、シンプルかつ重厚感のあるデザインが特徴として挙げられます。

次にご紹介する豪華絢爛な装飾を施したゴシック様式とは対照的な印象です。

2-2 ゴシック様式

ゴシック様式は、12世紀頃に誕生した建築様式で、ロマネスク様式よりも華やかかつ構造的にも堅強な印象です。

円柱状の天井「リヴ・ヴォールト」、「尖塔アーチ」といった技法が構造上の特徴として挙げられます。

また、壁を支える飛梁の「フライング・バットレス」と呼ばれる技術によって大きな窓を作れるようになったことで、美しいステンドガラスを使用したデザインが登場し始めるのもこの頃から。

セーヌ川の中洲、シテ島にあるノートルダム大聖堂などもゴシック様式にのっとって建造されたことでも有名です。

2-3 ルネサンス様式

15世紀ごろになると、ルネサンス様式(ルネッサンス様式)と呼ばれる建築様式が登場しました。

元はイタリア発祥の様式でしたが、16世紀頃にはイギリスやフランスなどのヨーロッパ各国に伝わっていたと言われています。

古代ローマ風の円柱やアーチ、イスラム教のモスクを思わせるような大きなドームなどを多種多様な様式を集結させつつ、全体的には均整と調和を重んじたデザインが特徴的です。

2-4 バロック様式

16世紀〜18世紀頃になると、ヨーロッパ全土で主流となったのがバロック様式です。

巨大なスケールと劇的な空間表現、雄大さ、複雑な構造、多種多様な装飾など、均整と調和を重んじてきたルネサンス様式とは正反対のデザインが特徴的として挙げられます。

ルネサンス様式を”静的”とするならば、バロック様式は”動的”。

ダイナミックかつリズミカルな雰囲気の建築様式と言えるでしょう。

2-5 ロココ様式

前述したバロック様式の末期頃から、ロココ様式と呼ばれるスタイルも誕生します。

豪華な装飾などを抑え、室内には「ロカイユ」と呼ばれる浮彫装飾を施している点がロココ建築の大きな特徴の1つ。主に教会や宮殿の室内装飾として用いられてきました。

バロック特有のダイナミックさや壮麗さはないものの、どこか和やかで人間味を感じるデザインが魅力です。

3 パリ8区にある素敵な教会

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3-1 マドレーヌ教会

シャンゼリゼ通りの起点となるコンコルド広場からほど近くにあるマドレーヌ教会(寺院)。

一見すると教会とは思えない、古代ローマの神殿を思わせる荘厳な佇まいが特徴的です。先ほどご紹介した建築様式には入っていませんが、マドレーヌ寺院のような外観はギリシャ様式(コリント様式)と呼ばれています。

美しい彫像は一見の価値あり

教会の中に入るとまずはパリの彫刻家リュード作の「キリストの洗礼」がお出迎え。

さらにその奥にある中央の祭壇には、マロチェッティ作の「聖マグダラのマリアの歓喜」像が佇んでいます。その荘厳な雰囲気に呑まれ、言葉を失う方も多いのだとか…。

ちなみに今でも定期的にミサが行われており、その時間帯は見学できないため要注意です。

教会の食堂ではリーズナブルなランチも楽しめる

マドレーヌ教会では、平日のお昼のみ「Foyer de la Madeleine」という食堂が一般開放されています。

8.5ユーロの年間会費を支払うことで、前菜、主菜、デザートのランチコースがなんと一律7.5ユーロに。パリ8区の中では群を抜いてリーズナブルな価格設定です。

そのため平日は周辺の企業に勤めている利用客で賑わいを見せています。

パリ8区の高級レストランとはちょっと違った、庶民的で何度でも通いたくなるような親しみやすい味が魅力です。

  • 名称 : マドレーヌ教会
  • 住所 : Place de la Madeleine 75008 Paris
  • 営業日 : 全日(食堂は平日のみ)
  • 営業時間 : 9:00 – 19:30(食堂は11:45 – 14:00)
  • 入場料 : 無料

3-2 贖罪礼拝堂

贖罪礼拝堂は、フランス革命時、ギロチンで処刑された人々を埋葬したマドレーヌ墓地跡地に作られた礼拝堂です。

かのルイ16世やマリーアントワネットも、この場所に葬られていたことでも知られています。

革命、処刑、ギロチン…と聞くと何だか恐ろしい場所のようにも思えますが、礼拝堂は緑の溢れるルイ16世公園内に位置しており、地元に住まう方々の憩いの場でもあります。

ルイ16世とマリーアントワネットの彫像は必見

礼拝堂の祭壇には、二体の彫像が置かれています。

1つは、フランソワ・ジョセフ・ボシオ作の『ルイ16世と天国を指し示す天使』。もう1つは、ジャン・ピエール・コルト作の『たゆまぬ信仰に支えられるマリー・アントワネット』です。

この2体の彫像見たさにこの地へ訪れる方も多いと言います。

  • 名称 : 贖罪礼拝堂
  • 住所 : 29 Rue Pasquier 75008 Paris
  • 営業日 : 火・木・金・土
  • 営業時間 : 10:00 – 12:30 / 13:30 – 17:00
  • 入場料 : 6ユーロ

3-3 サントーギュスタン教会

パリメトロ9号線サントーギュスタン駅のすぐ近くに位置するのが、サントーギュスタン教会です。8区にある教会の中では比較的新しく、1868年頃に建てられたと言われています。

巨大なドームとその上にある赤色の尖塔は、この教会のシンボル的存在。

ガイドブックなどではあまり紹介される機会が少なく、パリ8区の中でもちょっとニッチな教会の1つです。

礼拝堂には壮大な2台のパイプオルガン

この教会の特徴は、なんといっても礼拝堂に設置された壮大な2台のパイプオルガンです。

サン=サーンスに学んだことでも知られるオルガニスト、ウジェーヌ・ジグー氏もこのオルガンを使って62年もの間定期的に演奏会を行なっていました。

一般の方は演奏できませんが、礼拝堂にそびえるパイプオルガンを眺めているだけでも鳥肌が立つこと間違いなし。

  • 名称 : サントーギュスタン教会
  • 住所 : 8 avenue César Caire 75008 Paris
  • 営業日 : 全日
  • 営業時間 : –
  • 入場料 : 無料

パリの歴史はいつの時代も教会と共にある。

本日は、パリ8区の教会にスポットを当ててご紹介しました。

ご紹介したパリ8区の教会を巡れば、パリひいてはフランスにおける時代の変遷を肌で感じることができることでしょう。

建築様式の変化に着目することで、ちょっとだけ玄人になった気分を味わえるかもしれませんね。

もしパリに訪れる機会のある方は、観光スポットを紹介している雑誌などには掲載されていない、ちょっとマイナーな教会を探してみるのも良いですね!

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