多くの世界遺産が点在するフランスにある「モンサンミッシェル」という有名な観光スポットを皆さんはご存知でしょうか?
モンサンミッシェルと言えば、その美しい姿から『西洋の脅威』と呼ばれているほど。「一生に一度は見てみたい世界遺産」として人気のある観光地なんです。
今回はフランス旅行の際にはぜひ訪れてみたい、モンサンミッシェルの魅力についてご紹介します。
目次
1 モンサンミッシェルとは
1-1 モンサンミッシェルの歴史
モンサンミッシェルはフランスにある有名な観光地のひとつ。
そもそもモンサンミッシェルといえば「修道院」をイメージする方が多いかと思いますが、実は修道院がある島そのもののことを指すのです。
その起源は708年にまで遡り、アヴランシュ司教のオーベルが夢の中で大天使ミカエルから受けた『この岩山に聖堂を建てよ』というお告げを受け、礼拝堂を建てたことが始まり言われています。
初めは小さな建物しかなかったモンサンミッシェルですが、何度も改築を重ねていき13世紀ごろに現在の形になったんだとか。
世界史が好きな方の中には、かの百年戦争にて島そのものが要塞として使用されていた歴史をご存知の方もいるのではないでしょうか。
聖堂から要塞と様々な形態を経て歴史を重ね、そして1979年に世界遺産として認定されました。また、認定後数十年が経過した1994年には水鳥の生息地として適した場所に関する条約の『ラムサール条約』にも登録されています。
モンサンミッシェルはこれらのバックボーンを含めた歴史的観点や経緯を経て、フランス観光の人気スポットとして地位を築いていったんですね。
1-2 モンサンミッシェルにはどうやって行くの?
実際、モンサンミッシェルにはどのような方法でアクセスが可能かご存知でしょうか。
モンサンミッシェルはフランスの首都パリから「400キロ」離れた、フランス西海岸「サン・マロ湾」に位置しています。
パリから車で移動した場合、約5時間ほどかかってしまう距離なのでパリ市内の観光と合わせて1日で済ませようとするのはなかなか難しい距離かもしれませんね。
パリ市内からモンサンミッシェルに向かう場合の代表的な移動手段は「バス」か「高速列車(TGV)」。
バス移動の場合、時間はかかってしまいますが交通費が約25ユーロとかなり格安。移動にかける費用を抑えたい場合はおすすめです。
高速列車(TGV)の場合、交通費は約70〜100ユーロとバスニ比べるとやや割高です。だた、運行している電車の本数が多いためスケジュール調整がしやすいというメリットがあります。
人気のあると言われているのは高速列車(TGV)を使用したルートですが、モンサンミッシェルの最寄り駅である「レンヌ駅」からだとまだ距離が離れているため、そこからバス移動する必要があるので注意が必要です。
2 モンサンミッシェルのおすすめポイント
2-1 美しい修道院
モンサンミッシェルと言えば、まず「修道院」の姿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
その美しい外観ばかりに目が向きがちなモンサンミッシェルの修道院ですが、実はその中にこそおすすめスポットがたくさんあるんです。
例えば、モンサンミッシェルの北面に位置する「ラ・メルヴィユ(驚異なるもの)」と呼ばれる3階建住居空間。
この建造物は階層によって当時の身分制度を表していると言われている建物。
最上階には「食堂」や「中庭」、その中庭を囲むよう繊細な列柱の連なる「回廊」、中階には修道院たちの執務室である「騎士の間」や身分の高い人を迎えるための「迎賓の間」、1階には身分の低い巡礼者が施しを受けていた「施物分配室」という部屋などがあるんです。
その他には「聖マルタン礼拝堂」や「地下礼拝堂」と言った、過去の雰囲気を感じることのできるスポットや大階段を登った先にある、見晴らしがよく高い場所から四方の景色を見下ろすことのできる「西のテラス」など修道院には見所がたくさんあります。
また、修道院の建築様式はゴシック様式やロマネスク様式、ルネッサンス様式など様々な種類が混在しており、一度にたくさんの建築様式を見ることができるところも魅力のひとつ。
歴史的建造物が立ち並び、その背景を感じることのできるモンサンミッシェルの修道院は訪れた際は欠かせないスポットなんですね。
2-2 潮の満ち引きによって変わる表情
モンサンミッシェルが位置する島は全体を遠浅の干潟によって囲まれているため、潮の満ち引きによって見える景色が変化するという特徴があります。
その干満差は約10メートルもあると言われ、年に何度かある”大潮”の時期にはモンサンミッシェルと対岸をむすぶ橋も海の中に沈み、完全に孤島と化してしまうんです。
ただそんなモンサンミッシェルの”海に浮かぶ神秘的な姿”は年に数回しかそのタイミングに出会うことはできません。
1日の内に潮の満ち引きが何度か繰り返すモンサンミッシェル。季節によってもその周期や時間は変化するので訪れる際は事前に調べておくことをおすすめします。
2-3 幻想的な夜景を楽しむ
朝日や夕焼けに照らされるモンサンミッシェルもとても素敵な姿ですが、特におすすめなのが「モンサンミッシェルの夜景」。
モンサンミッシェルは、昼間に感じることのできる荘厳な雰囲気とは異なり夜は息を飲むほど美しい夜景を楽しむことができるのも魅力のひとつなんです。
夜でもモンサンミッシェル内の散策はできますが、島全体が見渡せる位置からライトアップされた幻想的な修道院を見るてみるのもいかがでしょうか。
2-4 周辺の人気グルメ
モンサンミッシェル周辺では特産であるムール貝や、近郊で取れるりんごを使用したお酒や塩、お土産にも最適なクッキーなど様々なグルメを楽しむことができます。
そんな中、特に有名なモンサンミッシェルのグルメといえば「オムレツ」。少し意外かもしれませんが、島内から修道院へと続く『グランド・リュ』という参道にあるお店で提供されている名物料理なんです。
日本で食べるようなオムレツとは異なり、卵をメレンゲ状にふわふわにして焼き上げたスフレのような食感が特徴のモンさんミッシェルのオムレツ。
ただ、値段が約4,000円と高額で、最も安価な付け合わせのない”プレーンオムレツ”だとシンプル故に味がほとんどなく、どこか物足りなさを感じてしまうんだとか。
オムレツはとても有名なモンサンミッシェルのグルメのひとつですが、当時の雰囲気や歴史を味わう為にいただくという気持ちでいた方がよいかもしれませんね。
3 モンサンミッシェルを楽しむために知っておきたいこと
3-1 営業時間や料金について
モンサンミッシェルの営業時間は季節によって異なり、5〜8月であれば9:00〜19:00までですが、9〜4月の日照時間の短い時期には9:30〜18:00までの短縮営業となってしまいます。
また、毎年1月1日やフランス労働者の日である”5月1日”、クリスマスの”12月25日”などはモンサンミッシェルもお休みなので注意が必要です。
入場料金はおとなが約11ユーロ。団体の場合は少し安く、約9ユーロで入場することができます。18歳以下は入場料金が無料なところも嬉しいポイントなんです。
フランスには文化的な建築物が無料で開放される”ヨーロッパ文化遺産の日”という特別なイベントもあるので、そこに予定を合わせて訪れるのもよいかもしれませんね。
【他のおすすめ記事】
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3-2 観光では宿泊したほうがよい?
モンサンミッシェルの島内や対岸周辺には宿泊施設が多数点在しています。
パリ市内など、少し距離がある場所から観光に訪れた際はモンサンミッシェルのすぐ近くで宿泊してみてはいかがでしょうか。
沿岸の宿泊施設では、窓からモンサンミッシェルの夜景や朝日に照らされた姿を見ることができる場合もあり、ゆったりとした贅沢な時間を過ごすことも可能なんです。
島内にも宿泊施設はありますが、階段が高低差がある箇所が多数あるため足腰に不安がある年配の方は避けた方がよいかもしれませんね。
3-3 実際に訪れた際の注意点
実際に観光する時にはいくつか気をつけたいポイントがモンサンミッシェルにはあります。
まずはモンサンミッシェルの「トイレ事情」。
モンサンミッシェル島内には無料の公衆トイレが2箇所しかありません。そのほかはお釣りの出ない有料の公衆トイレなので常に小銭を準備しておくと安心です。
島内でトイレの位置がどこなのか迷ってしまわないように、事前に場所を確認しておくとよいかもしれませんね。
次にモンサンミッシェルで行われている「荷物制限」について。
修道院に入る際にはセキュリティーの観点から手荷物検査が行われます。また、修道院内には大きさが「55㎝×35㎝×20㎝」を超えてしまう荷物を持ち込むことが禁止されています。
以前は島内に荷物を預けるロッカーが設置されていいたそうですが2020年2月現在、その場所の使用が停止してるという情報も…。
そのため、観光に訪れる際はホテルや駅など事前に荷物を預けておくと安心かもしれませんね。
まとめ
今回はフランスのおすすめ観光地である「モンサンミッシェル」についてご紹介しました。
モンサンミッシェルは歴史的な背景をもつ人気観光地のひとつ。修道院を始め、回廊や礼拝堂などの荘厳な姿、また夜にライトアップされることで現れる”美しい夜景”も魅力的です。
パリ市内からはバスや高速列車(TGV)を利用するのが一般的。ただ、少し距離があるので旅行を計画する際には注意が必要です。
実際に訪れた際にはいくつか気をつけたいポイントもあります。モンサンミッシェルにまだ行ったことがないという方はぜひ本記事を参考に計画を立ててみてはいかがでしょうか。