皆さんは「フランス刺繍」をご存知でしょうか?
刺繍にはたくさんの種類がありますが、フランス刺繍は私たち日本人にとって馴染み深い刺繍のひとつ。
あまり聞き馴染みがないという方も、もしかするとフランス刺繍が施されたアイテムを普段から使用しているかもしれません。
普段から刺繍を縫うことを趣味にする、好きなデザインの刺繍が施されたアイテムを収集するなど楽しみ方は人それぞれ。
今回はそんなフランス刺繍について、その技法や特徴について詳しくご紹介していきます。
目次
1 フランス刺繍とは?
フランス刺繍とは花柄や鳥の絵など、ヨーロッパ風のステッチを総称する言葉。多数ある刺繍の種類の中でも基本とされ、日本で一般的に刺繍として浸透しているのがフランス刺繍なんです。
もともとヨーロッパの上流階級の女性の嗜みとして広まっていたと言われているフランス刺繍。そんな歴史的背景からか、上品で敷居の高いイメージを持ってしまいがち。
ただ、フランス刺繍は道具を揃えれば初心者でも自宅で簡単に始めることができます。
その親しみやすいデザインも相まって、大人の女性だけでなくキッズアイテムでもよく見かける人気の刺繍なんです。
2 フランス刺繍に必要な道具とは?
フランス刺繍を始める際に用意したい道具は以下が挙げられます。
- 刺繍糸
- 刺繍針
- 生地
- 刺繍枠
- チャコペン
- ハサミ
- 図案
中にはなんとなく聞き覚えのある道具もあるかもしれませんが、それぞれの特徴について見ていきましょう。
2-1 刺繍糸
文字通り刺繍で使用する専用の糸である刺繍糸。そんな刺繍糸ですが、実は複数種類があり番号によって分類されています。
初心者の方はどの糸を使用してよいか混乱しがちですが、フランス刺繍では初心者の方でも扱いやすいと言われる25番の糸を選ぶのが一般的。
糸の色も多彩なため、フランス刺繍のカラフルでキレイなデザインが再現できるんですね。
2-2 刺繍針
刺繍専用の針である刺繍針。実は刺繍糸と同様にいつくか種類があるんです。
刺繍糸と同様に刺繍針も番号で分類されており、針についても25番の使用するのが一般的。
初心者の方は、糸と針がセットになっているフランス刺繍用のキッドを選ぶと混乱せずに済むかもしれませんね。
2-3 生地
フランス刺繍ではリネンやシーチングなどの素材が使用されることが多いと言われています。
ただしフランス刺繍には生地の種類について、厳密に決まりはないため好きな生地を選んでも問題ありません。
初心者の方には上記のような、柔らか過ぎず硬過ぎない適度な素材が針が刺しやすくておすすめです。
2-4 刺繍枠
刺繍枠とは生地に張りを持たせて作業をしやすくする刺繍グッズのこと。
プラスチックや木製など素材の違い、生地をネジで回して固定するタイプやワンタッチで固定できるタイプといった使用方法の違いなど、刺繍枠の種類もいくつかあるんです。
刺繍枠の大きさは8センチ〜12センチ程度がどんな作品にも対応しやすいと言われています。
2-5 チャコペン
フランス刺繍に限らず裁縫で必要な道具と言えばチャコペンですよね。
チャコペンとは生地に図案を写す鉛筆のような道具のこと。生地に痕が残さず消えやすい水性タイプや図案が写しやすいペーパータイプなど、用途に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
2-6 刺繍用ハサミ
先が細くなった特殊なデザインが特徴の刺繍用ハサミ。
ただフランス刺繍では、裁縫でも使用する一般的な糸切りバサミでも問題はありません。
慣れてくると道具にも拘ってきたくなるのでひとつ持っていてもいいかもしれませんね。
2-7 図案
初心者の方がいきなりオリジナルデザインの刺繍にチャレンジするのはハードルが高いかもしれません。
始めのうちはフランス刺繍の図案が載った教本を参考にするのがおすすめです。
図案一緒に縫い方の詳しい解説もしてある教法が多いのも嬉しいところ。
図案を写す際、トレーシングペーパーやトレーサーというペン状のアイテムが必要になりますので準備しておくようにしましょう。
3 フランス刺繍の縫い方をご紹介!
刺繍(ステッチ)の種類はとてもたくさんあります。その中でも特にフランス刺繍を表現ための基本と言われる手法があるんです。
- ランニングステッチ
- アウトラインステッチ
- チェーンステッチ
- サテンステッチ
- バリオンステッチ
それぞれの手法について詳しく見ていきましょう。
3-1 ランニングステッチ
ランニングステッチとはひと針ずつ刺していく、一般的な裁縫でもよく使用される手法のこと。フランス刺繍の中でも一番簡単で基本の縫い方と言われています。
シンプルな仕上がりになりますので糸の色などで個性を出すのがおすすめです。
3-2 アウトラインステッチ
針を斜めに刺しながら絵を書くように縫っていく手法であるアウトラインステッチ。図案のアウトラインをかたどっていく縫い方が名称の由来となっているんですね。
また、真っ直ぐな1本の糸で仕上げていくことから「ストレートステッチ」と呼ばれることもあるんだとか。
アウトラインステッチは作品の輪郭部分を作るフランス刺繍の中でも要となる作業なんです。
3-3 チェーンステッチ
チェーンステッチとは小さめな輪を作って繋げていく手法のこと。ステッチの中でも基本のひとつとされ、絵柄や文字、面を埋める時などにたびたび使用されます。
他にもいくつかチェーンステッチと似ている手法があり、例えば輪の部分を花びらのように仕上げる「レイジーデイジーステッチ」など、より華やかな作品を作りたいときにおすすめです。
3-4 サテンステッチ
サテンステッチとはステッチ全体にふっくらとした立体感を出したいときにおすすめの手法。
少し難易度が高めと言われていますが、その名の通りサテン生地のように光沢がでる仕上がりになるのが特徴です。
さらに、サテンステッチには応用パターンがいつくかあります。
例えば、長短の針を交互に使用する「ロングアンドショートステッチ」という手法。広めの面を糸で埋めたい時に活用すると便利な手法なんです。
3-5 バリオンステッチ
バリオンステッチとは糸を針に巻きつけ、ステッチの太さや長さを変えることで絵柄をつくる手法のこと。花などを表現することの多いフランス刺繍では欠かせないステッチですよね。
糸に針を巻きつける「玉留め」の手法ですが、ステッチの形を調整しながらバリオンステッチを表現するのはなかなか難しいもの。そんな時は、針の巻きつけが1回ですむ「フレンチノットステッチ」から始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は刺繍の基本のひとつに数えらえる「フランス刺繍」についてご紹介しました。
フランス刺繍とは花柄などヨーロッパ風の絵柄を表現した刺繍のこと。日本に一般的に”刺繍”として浸透しているのはこのフランス刺繍なんです。
いくつか刺繍専用の道具を揃えれば、自宅でも簡単に始められるフランス刺繍。お気に入りの絵柄などを試してみたくなるのではないでしょうか。
フランス刺繍にチャレンジしてみたいという方はぜひ本記事を参考にしてみてください。