世界遺産大国と呼ばれているフランス。国内に多数ある世界遺産の観光がしたい方は「ヨーロッパ文化遺産の日」に合わせてフランスへ訪問するのがおすすめです。
ヨーロッパ文化遺産の日とは、フランスを中心にヨーロッパ全土で普段は見ることのできない文化遺産の一般公開されたり、入場料がかかる施設を無料で利用することができる特別な日。
毎年約2000万人の観光客がヨーロッパ各国にある約3万の文化遺産を求めて訪れる大規模なイベントなんです。
フランス・パリでは2019年も同じ期間に開催予定。フランス旅行のピークは6月〜8月と言われており、ちょっと遅めの観光でこのイベントが開催される時期にパリに訪れてみるのもいいかもしれませんね!
今回はヨーロッパ文化遺産の日について、その起源やどのような歴史的建造物が公開されているのか詳しくご紹介していきます。
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目次
1 ヨーロッパ文化遺産の日とは?
ヨーロッパ文化遺産の日(Journées Européennes du Patrimoine)とは、普段は一般入場が許されていない歴史的な建造物が一般公開されたり、入場料がかかる施設を無料で利用することのできる特別な日のことを言います。
元々は1884年にフランスの文化大臣の提唱により「歴史的建造物の解放日」として設置されたのが始まり。
その後、欧州各国に広がりを見せたことをきっかけに1991年にヨーロッパ文化遺産の日と名前が改められ、現在ではヨーロッパ50ヶ国以上、3万の施設で開催されるようになった大規模なイベントになっています。
フランスだけでも約1000万人以上を動員するこのイベントは、普段は足を踏み入れることが許されていない公的機関や歴史的建造物、劇場や美術館などの建物の中を無料で見学することができる貴重な2日間。
毎年テーマが決められており、2018年のフランスのテーマは「歴史を創造した偉大なる人物達」だったそうです。
2 開催日については注意が必要!2019年は9月21日・22日開催
ヨーロッパ文化遺産の日を楽しむためには、開催日についてしっかり把握しておくことが大切です。
自己判断でフランス訪問の予定を決めてしまって、着いたら開催されていなんてことになったら残念ですよね。
例えば、このイベントの中心であるフランス・パリでは毎年9月の第3週の週末に開催されるのが恒例。
ただし、9月に開催されるという決まりはあるものの毎年決まった日に開催されるわけではないところには注意する必要があります。
昨年2018年の開催日は9月の15日と16日。同じ期間で考えると今年の開催日は14日と15日に開催されることが予想されます。しかし、ヨーロッパ文化遺産の日を主催するフランス政府の発表では2019年の開催は21日と22日。
いつが開催日なのか、事前に公式発表をしっかり確認することをおすすめします。
またフランス以外の国では、フランスと開催日が統一されているわけではありません。こちらも行く国について事前に開催日を調べることが必要ですが、まず開催日が異なるということだけでも知っておいて損はないかもしれませんね。
3 パリでおすすめの文化遺産7選
ここではフランス・パリで見ることのできる代表的な世界遺産や文化的な建造物について見ていきましょう。
全体的な建物の特徴として、歴史を感じることのできる雰囲気や豪華な装飾がある建造物が多い印象です。
3-1 特別に解放されている施設
3-1-1 パリ市庁舎
パリの行政の要であるパリ市庁舎。実はで15世紀にはすでに市庁舎として利用されていたとても古く歴史がある建物なんだそうです。
一度火事で焼失してしまいましたが1882年には現在の形で再建され、現在も市庁舎として利用されています。
市庁舎の中、回廊や広間がまるで宮殿のような豪華で美しい造りとなっており、ステンドグラスやシャンデリアの装飾など、とても役所とは思えない美術館のような内装になっているんだとか。
文化遺産の日には普段はパリ市民しか使用できない図書館のほか、市長室や市議会の中にも入ることもできます。
3-1-2 元老院
元老院とはフランスの上院のこと。その議事堂として使用されているのがリュクサンブール宮殿(元老院)です。
もともと貴族の邸宅だった建物を改装して使用されている元老院。
大広間で見られる壁から天井まで埋め尽くすように施された装飾は、思わずため息が出てしまうほどの豪華絢爛な造りとなっています。
一方、メインの議会場は半円形のオーソドックスな造りとなっておりとても厳かな雰囲気がある場所です。
また、元老院でもう1つの見どころとしてはアネックスと呼ばれる書庫。
建物内に2箇所設置されているこのアネックスは、高い天井に届くほど壁一面にびっしりと蔵書が収められ、歴史を感じさせる重厚な雰囲気を感じさせてくれます。
3-1-3 国会議事堂
国会議事堂は別名ブルボン宮殿とも呼ばれる、フランス下院である国民議会の議事堂として使用されている建物です。
外観がギリシャの宮殿を思わせるブルボン宮殿は、絵画や彫刻、また豪華なシャンデリアが飾られ壁一面には金色の装飾が施されているなど贅を尽くした造りとなっています。
元老院とはまた違う少し劇場を思わせる議会場や、教会に似たドーム型の天井がある図書館などがある人気の施設です。
3-1-4 エリゼ宮
文化遺産の日に解放される施設の中で、最も人気のあるのがフランス大統領官邸であるエリゼ宮です。
1722年に貴族の邸宅として造られたエリゼ宮。ルイ16世やナポレオン1世など数々の偉人に所有されてきた歴史を持ち、1816年から王室の所有となり大統領官邸として使用されているそうです。
現代でも国の需要な祭事や会談の拠点として使用されており、晩餐会などが行われる”祝宴の間”はメディアなどで取り上げられる機会も多いので、見たことがある人が多いかもしれませんね。
注意点としては、他の施設と比べて人気が高いためとても混雑してしまうこと。入場するだけでも4〜6時間ほどかかってしまうのが当たり前と言われています。
3-2 入場料が無料になる施設
3-2-1 コンシェルジェリー
コンシェルジェリーとは、シテ島にある3つの塔と広間からなる監獄のこと。
フランス王妃として有名なあのマリーアントワネットが幽閉された監獄として有名な場所なんだとか。
14世紀にフィリップ4世によって王宮の一部として建設されたコンシェルジェリーですが、その名称はもともと「コンシェルジュ(守衛、旧王宮の司令官)がいた場所」という由来からきているんだそうです。
マリーアントワネットの歴史的な背景など、物語の中だけでなく実在したという確かな証を感じたい方にオススメのスポットです。
3-2-2 サント・シャペル教会
前述したコンシェルジェリーと同じ敷地内にあるのがサント・シャペル教会。
「聖なる礼拝堂」という意味を持ったゴシック建築の代表的な建築で、ノートルダム大聖堂に並ぶパリの有名な観光スポットです。
最大の見所はやはり、パリ最古の世界一美しいと言われているステングラス。太陽の光によって七色に変化するその姿はまさに息を飲む美しさと言われています。
入場する時は手荷物検査を受けなければならず、入るまでに少し時間がかかってしまう場合もあるようです。訪れる際は混雑を避けて朝の早い時間を狙ってみるのはいかがでしょうか。
3-2-3 シャイヨー宮
シャイヨー宮とは、パリ16区にある大型の展示会場。
シャイヨー宮国立劇場をはじめ、文化財博物館、人類博物館、海洋博物館などの施設が集合した、美しい宮殿のような外観と左右に大きく翼が湾曲した造りが特徴的な建物です。
もともとは1948年に行われたパリ万国博覧会の会場とするため、ナポレオンが造ったトロガテロ宮殿を取り壊して再建されたという経緯があります。
国立劇場では演劇やバレエ、サーカスやフラメンコなど様々な公演が行われるため、地元のフランス人も多く訪れる場所なんだとか。
シャイヨー宮にあるテラス席からはセーヌ川を挟んでエッフェル塔の全景を見ることができるため、人気の観光スポットとも言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ヨーロッパ文化遺産の日とは、パリを中心に行われている文化的に価値のある建造物を楽しむことができる素敵なイベントです。
普段は中に入ることのできないフランス大統領官邸や議事堂などが特別に一般公開され、歴史ある豪華絢爛な内装を間近で見学することができます。
また、普段から解放されている施設についても無料で利用できるのも魅力のひとつなんだとか。
9月はフランス観光の人が少し落ち着くオフシーズン。ぜひ文化遺産の見学を目的にフランス旅行を検討してみてはいかがでしょうか。