パリでは毎年10月にカーフリーデー(Car Free Day)といって市内中心部や有名観光地周辺を車で走行することができない日があります。
元々は他の欧州各国からスタートした「Journée sans voiture(車のない日)」という車に乗るのことを控える風習がフランス・パリでも行われるようになったことが始まりと言われています。
パリ市内をゆっくり歩いて観光するいい機会になる一方、知らずに車に乗ってしまい罰金の対象となってしまうなど気をつけたい注意点がいくつかあるんだとか。
今回はパリカーフリーデーについてその特徴や現在も行われている背景など、詳しくご紹介していきます。
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目次
1 パリカーフリーデー(Car Free day in Paris)とは
1-1 車のない日(Journée sans voituret)
パリのカーフリーデーには、始まるきっかけとなった「車のない日(Journée sans voiture)」というイベントがあることをご存知ですか?
車のない日(Journée sans voiture)の歴史は意外と古く、1956年のベルギー、オランダ、スイスで戦争による石油不足の対応策のために車に乗ることを控えて燃料を節約しようと呼びかけたことが始まりと言われています。
欧州では近年、大気汚染やCO2の削減など環境保全について厳しく求められる傾向があるため多くの国ではこのイベントを環境問題の取り組みとの一環として継続的に行なっているそうです。
このイベントの効果について、日常と比べ最大でCO2の35%の削減と50%の騒音の解消に貢献しているという結果も出ているそう。
イベントはだいたい共通の日取りで行われているそうで、ほとんどの国では決まって9月の第3日曜に開催されています。
1-2 パリで開催されるカーフリーデー(Car Free Day in Paris)
世界遺産も多くキレイな街並みが広がるイメージが持たれるフランス・パリですが、意外なことに深刻な大気汚染が社会問題になっているんだとか。
その原因の1つと言われているのが自動車の交通量。その改善策として1995年にパリ市長アンヌ・イダルゴ氏が車のない日を背景に導入したのが「パリフリーカーデー(Car Free Day in Paris)」と言われています。
別名ノーカーデー(No Car Day)とも呼ばれるこのイベントですが、凱旋門周辺やエッフェル塔、コンコルド広場といった有名観光地を含むパリ中心地の広範囲に渡って、大気汚染の原因となる自動車での走行を制限するもの。
パリでは10月の第1日曜日に行われるシャンゼリゼ通りの歩行者天国と合わせて、車のない日とは少しずれた日程で開催されることが多いんだとか。
ほかにも大気汚染対策として、公共交通機関(メトロや路面電車など)を4日間無料にする施策が行われていたりと、パリでは大気汚染解決のための様々な政策が取られ、そのひとつとしてパリフリーカーデーが行われているというわけなんです。
2 カーフリーデーの特徴
パリカーフリーデーでは午前11時から夕方18時までの間、定められた区間内をガソリンまたはディーゼルエンジンを搭載した自動車で走行することを禁止されます。
ただし、定期観光バスやタクシー、パリ市内の住民、障害者や高齢者を乗せ止むを得ず運転しなければならない自動車など、全く自動車が走行できないと言うわけではありません。
上記の車両でも運転する際は時速30Kmに速度が制限され、これらのルールを守れない車両に対しては90〜135ユーロ程度の罰金が課される場合もあるんだとか。
この期間、徒歩やランニング以外で推奨されているのが自転車、スケートボード、インラインスケート、他には日本ではあまり馴染みのない前の荷台に小さい子どもや荷物を載せた三輪の自転車などなど。
パリ中心部で色々な乗り物が走っている姿を普段より多く見ることができるのもまた楽しいですね。
3 カーフリーデーで制限されるエリア
カーフリーデーで車の侵入が制限されるのは、パリ市内中心部から約80マイル(128km)。
具体的にはパリ1区、2区、3区、4区のほぼ全域とエッフェル塔や凱旋門の周辺など、ブローニニュの森やヴァンセンヌの森といった一部を除いてパリ市内のほとんどがその対象地域に該当すると言われています。
普段は交通量が多く騒音が気になりがちな凱旋門やコンコルド広場といった有名観光地周辺もこの日ばかりはとっても静か。
数万人のパリ市民や観光客が徒歩やランニングを楽しんだり、のんびり観光地を歩いて回る姿などいつもと違うパリの表情を見ることができるかもしれません。
またカーフリーデーでは、速度が制限されている観光バスよりもメトロを使って移動した方がストレスなく移動できるのでおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
パリカーフリーデー(Car Free Day in Paris)は元々は車のない日(Journée sans voiture)が由来となっているイベント。
現在では大気汚染という環境問題への取り組みの一環として毎年パリ市内で行われるようになったんですね。
普段は交通量が多く騒音が気になりがちな凱旋門周辺やコンコルド広場もゆっくり観光できるのが魅力的です。
また、パリでは10月第1日曜日のシャンゼリゼ通りの歩行者天国と合わせて行われるため、凱旋門から伸びるいつくもの通りでは多くのパリ市民や観光客が歩いたりサイクリングを楽しんでいる姿を見ることができます。
この日はセーヌ川沿いをのんびり歩いたり、自転車で気持ちよく走ったりしてみてはいかがでしょうか。