寒くなる季節になると起こりやすい言われる”静電気”。洋服を脱いだ時やドアノブに触れた時、バチバチと感じる静電気に不快な思いをした経験はありませんか?
そもそもなぜ静電気が起きてしまうのか、そのメカニズムについてご存知の方はあまり多くないはず。
この冬は改めて静電気についておさらいをし、しっかり静電気対策を行ってみてはいかがでしょうか。
今回は静電気について、発生してしまうメカニズムから対策まで詳しくご紹介していきます。
目次
1 そもそも静電気はなぜ起こる?
1-1 静電気の仕組みについて
そもそも静電気はなぜ起きてしまうのか、その仕組みについてご存知でしょうか。
静電気とは物質の持つプラスとマイナス電気バランスが崩れた状態のこと。
金属や繊維、もちろん私たち人間はもともと“プラス”と”マイナス”2種類の電気を持っています。
普段は均衡しているプラスとマイナスの電気は、物質同士の”摩擦”が原因となりそのバランスを崩してしまうんだとか。
マイナスの電気を帯びた物質に対し、もう一方の物質が摩擦することでマイナス電気が引き寄せられていきます。
この時、物質から物質へと電気が移動していく現象を”帯電”いい、奪う方を「マイナスの静電気」奪われた方を「プラスの静電気」と呼ぶんです。
そしてこの”マイナスの電気を帯電した物質”と”プラスの電気が帯電した物質”が近づいた時、それぞれが元のバランス戻ろうとする力、 “放電”が行われます。
つまり静電気とは、物質同士が触れ合った時に感じるあの”バチっ”とした痛みのことではなく、本来持つプラスとマイナスの電気のバランスが崩れ、電気をため込んだり移動したりすることをそう呼ぶんですね。
1-2 冬に静電気が起きやすい原因は?
よく”冬の方が静電気が起こりやすい”と言われていますが、その理由をご存知でしょうか。
寒い季節に静電気が起こりやすい原因は乾燥。静電気は湿度が低い方が発生しやすいと言われており、特に気温が20℃以下で湿度が20%以下の環境下が最も静電気が起きやすい環境と言われています。
例えば湿度が高い環境の場合だと、物質表面に水分が多く付着している状態。水は電気をよく通すので、この状態だと静電気が素早く分散してしまい起こりにくいんだとか。
つまり空気が乾燥していて気温が低くなる秋から冬にかけては、電気が帯電しやすく静電気が発生しやすくなるというメカニズムなんですね。
2 静電気が起きやすい人・起こりにくい人
“人に比べて静電気が起こりやすく感じる”という人はいませんか?
静電気が起きやすい人、言い換えると“帯電しやすい体質”はもしかすると体が不調のサインを出している可能性があるんです。
体が帯電体質になってしまうのは“乾燥肌”と”体内酸化”が原因と言われています。
乾燥肌は肌の潤いが失われている状態。肌の新陳代謝がうまく行われておらず肌荒れなどのトラブルを引き起こしてしまいます。それに加え、前述した通り肌が乾燥しているため、静電気も起こりやすくなってしまいます。
体内酸化とは血液がドロドロの状態になってしまうこと。このような血液状態だと様々な病気になる危険性があり、体内のイオンバランスが崩れプラスの電気を帯電しやすくなってしまうんだとか。
そうなるとマイナスの電気を集めやすくなり、結果的に静電気が起きやすくなってしまうという訳なんですね。
3 静電気が起きやすい素材やコーデ
衣服同士の”摩擦”によって発生する静電気。実は身に着ける洋服の素材によって電気の帯びやすさが異なるんだとか。
衣類の素材は“プラスの電気を帯びやすい素材”と”マイナスの電気を帯びやすい素材”に分類することができます。
プラスの電気を帯びやすい素材はナイロンやウール、レーヨンといった素材。一方、マイナスの電気を帯びやすい素材はアクリルやポリエステルなどの素材。
それぞれ同じ種類の電気を帯びている素材同士なら静電気は起きにくいのですが、異なる電気を帯びた素材同士が摩擦してしまうことで静電気が発生しやすくなってしまうんだとか。
例えば、ポリエステル素材のスカートとナイロン素材のタイツのコーデ、ウール素材のアウターとポリエステル素材のインナーのコーデなど…
コーデや取り入れる素材によって静電気を抑えようとした場合、電気を帯びにくい綿や絹素材を取り入れることがおすすめなんです。
4 今すぐ試したい静電気対策
静電気は少しの心がけで回避することが可能なんです。
また静電気対策がなされたアイテム、例えば静電気防止スプレーなどを使ってみるのもよいかもしれません。
ここではおすすめの静電気対策についてみてきましょう。
4-1 お肌の保湿をしっかり行う
静電気が起きやすい“乾燥”を防ぐために保湿を常に心がけることは、静電気対策としてはとても有効なんです。
特に秋から冬にかけては空気が乾燥しがちな季節。
こまめにスキンケアを行い乾燥肌対策をすることが、そのまま静電気対策になるんですね。
4-2 一度放電することを心がける
急激な放電が起こってしまった場合、例えば”ドアノブに指先で触れた時”など指先から一気に放電が行われてしまうと痛みを伴ってしまいます。
物質に触れる前、壁や地面に触れることで一度放電をしておけば急激な放電を未然に防ぐことができます。
また、金属などに触る際も手の形を”パー”や”グー”の形にして、一箇所から放電が行われないようにするだけでも痛みはかなり軽減することができると言われています。
4-3 柔軟剤を使用する
洗濯する際、摩擦を減少させる効果のある柔軟剤を使用することも静電気を減らすには効果的。
界面活性剤という成分を含んだ柔軟剤は、衣類の表面を滑らかにし摩擦を軽減する効果があると言われいます。
柔軟剤を選ぶときは、静電気対策を意識して選んでみるのもよいかもしれませんね。
まとめ
本日は静電気のメカニズムや起きる頻度を軽減させるための対策についてご紹介してきました。
静電気とは物質のプラスとマイナスの電気のバランスが崩れてしまっている状態のこと。
その状態のまま同じ種類の電気を帯びた物質同士が近づくことで、電気の移動つまり”帯電”が起こり、別の種類の電気を帯びた物質同士が近づくことで”バチッと”する、”放電”が起きてしまうんです。
静電気は乾燥状態だと起きやすいため、乾燥対策はそのまま静電気対策として有効。また、こまめに電気を放電しておけば痛みを感じる機会も軽減させることができます。
静電気にお悩みの方は、ぜひ本記事を参考に対策を立ててみてはみてはいかがでしょうか。