意外と知らない「カフェイン」の持つ3つの効果と適切な摂取量とは?

“コーヒーに含まれる「カフェイン」には眠気覚ましや気分をスッキリさせる効果がある“。

カフェインの効能について、このように周知の事実として伝わっていることがある一方、頭痛やめまい、吐き気の原因になってしまうといったマイナスイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

そもそもカフェイン自体は体にとって有益な存在。しかし、過剰に摂取してしまうと様々なリスクを抱えてしまう可能性があります。

今回はそんなカフェインの効果や過剰摂取によるリスクの解説、適切な摂取量など詳しくご紹介していきます。

1 そもそもカフェインとは?

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コーヒーやエナジードリンクを始め様々な飲料に含まれているカフェイン、実は「アルカロイド」と呼ばれる化合物の1種。

私たちの体にある「アデノシン受容体」に拮抗することで、興奮作用や強心作用といった様々な効果を発揮します。

ちなみに私たちの服用する風邪薬を始めとした医薬品にも「無水カフェイン」として用いられることでも有名です。

カフェインは適量摂取することで集中力アップや運動パフォーマンス向上といったメリットも多い半面、過剰に摂取すると体に不調をきたしてしまうことも。

特に日本人は西欧人と比べてカフェインへの耐性が低いため、「眠気を覚ますため」といった理由で急激に摂取量を増やすことは避けた方が良いと言えるでしょう。

2 カフェインを含む飲み物の代表例

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コーヒー以外ではどのような飲み物にカフェインが含まれているかご存知ですか?

私たちの身近なところで言えば、烏龍茶、紅茶、緑茶などのお茶類、栄養ドリンクやエナジードリンクなどの飲料に比較的多くのカフェインが含まれていると言われています。

お茶の中で最もカフェイン量が多いと言われているのは「玉露」。その量はコーヒーの約2倍にあたるんだとか。

中でも栄養ドリンクやエナジードリンクは気軽に購入できることから、ついつい疲れた時に飲んでしまいがちになってしまっていませんか?

これらを飲みすぎると気付いた時にはカフェインの過剰摂取により「急性カフェイン中毒」を引き起こしてしまう場合があるので注意が必要です。

3 カフェインの持つ3つの効果・効能

カフェインには主に覚醒作用、鎮痛作用、利尿作用の3つ効果・効能があると言われています。

3-1 覚醒作用

カフェインと言えば眠気覚ましや集中力の向上など、気分をスッキリさせたい時に摂取する人が多いのではないでしょうか。

このようなカフェインの効能は覚醒作用と呼ばれています。

覚醒作用とは眠気を誘うアデノシンという物質を抑え、脳に”自分は疲れていない”と思い込ませることで、眠気や疲労感が軽減させる働きのこと。

カフェインを摂取しそれが脳まで届くと覚醒作用が働くと言われています。運動前や集中したいときなどに適量摂取すれば、パフォーマンスをアップに繋がるかもしれません。

3-2 鎮痛作用

カフェインは風邪薬や頭痛薬にも配合されている成分ということをご存知でしたか?

鎮静作用には血管の拡張によって引き起こされる頭痛などの痛みを収める効果があると言われています。

カフェインを摂取したときに起こる血管を収縮させる働きがそのような痛みに効果的な働きをしてくれるんだとか。

ただし、血管の収縮により体の末端部分が冷えてしまう、いわゆる”冷え性”の原因になってしまう場合もあるそうです。

3-3 利尿作用

コーヒーやお茶を飲んだ時、トイレが近くなったという経験はありませんか?

カフェインの効能には利尿作用があると言われています。

これは腎臓で行われているナトリウムや水分を排出しようとする働きをカフェインが促進させることで引き起こされているそうです。

4 カフェインの適切な摂取量は?

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“カフェインの取りすぎは体によくない”とはよく聞きますが、実際にどれくらいの量が適切なのかはあまり知られていないのではないでしょうか。

カフェインの摂取限度量は体重1kgあたり2.5mg程度

これは体重が60kgの人の場合、1日のカフェイン最大摂取量は約500mg。その内、1回あたりの摂取許容量は200mg程度に抑えた方がよいと言われています。

カフェイン500mgとはコーヒーでいうと4〜5杯程度に当たる量。そう聞くと意外とたくさん摂取できるように感じてしまいませんか?

ただ前述した通り、コーヒー以外にもカフェインを含む飲料はたくさんあります。

思っているよりもあっという間に許容量を超えてしまった…。といったことにならないようにご自身の許容量について一度確認してみることをオススメします。

5 カフェインの過剰摂取で起こり得るリスク

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カフェインの摂取により眠気や疲労感が軽減されるように感じられても、根本的にそれらの症状がなくなると言うわけではありません。

体内のカフェインがなくなっていくと再び眠気や疲労感に襲われ、またカフェインを摂取する。その繰り返しで気付いたら大量摂取に至り、「カフェイン中毒」を引き起こしてしまうことも

カフェイン中毒とは、体内のカフェインがなくなったときに起きる離脱症状のこと。動機が激しくなったり、吐き気や嘔吐、手足の痺れ、意識障害などの症状がそれにあてはまります。

またカフェイン中毒は最悪の場合、死に至る可能性もあります。近年ではエナジードリンクの過剰摂取による若年層の死亡リスクが高まっていることも指摘されているそうです。

カフェインは身近な存在である分、そのリスクを把握しながら摂取していくことが大切なんです。

6 勘違いされやすいカフェインに関するエトセトラ

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6-1 カフェインは依存性があるって本当?

毎日コーヒーを飲んでいるとカフェインの依存性が強くなってしまう。そんな話を聞いたことはありませんか?

実はカフェインの依存性については科学的に見ると、依存物質としての条件を満たしていないと言われています。

カフェインを毎日大量に摂取することで体に不調をきたす可能性はあっても、依存性による弊害は基本的にはありません。

6-2 カフェインにはダイエット効果ってあるの?

カフェインとダイエット効果の関係について、”カフェイン摂取による代謝向上や血行促進がダイエットに効果的”とうたわれていることがあるようです。

結論からいうとそれらの効果については明確な根拠はなく、カフェイン摂取によるダイエット効果は期待できないんだとか。

ダイエット中に一息つきたいときやリラックスするためにカフェインを摂取することをオススメします。

まとめ

本日はコーヒーなどに含まれているカフェインの効能や摂取するときの注意点についてご紹介してきました。

そもそもカフェインの効能には私たちにとっては有益なものがたくさんあります。

カフェインが脳に働きかけることで、集中力アップやパフォーマンス向上、さらには頭痛薬を始めとした鎮痛作用などたくさんの効果が期待されています。

ただし、妊娠中や授乳中の方は要注意!肝臓の代謝が低下しがちであるため、カフェインを排出するのに時間がかかってしまいます。場合によっては胎児にもカフェインの影響が出てしまう恐れもあるため、妊娠・授乳中はカフェインの摂取は避けたほうがよいかもしれません。

カフェインに限らず、何事も”適量摂取”を心がけることが大切。正しい許容量を把握して、有用な効果をうまく活用していきましょう。

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